群像小説ぜんぶ読む

古今東西の群像小説をぜんぶ読みます。群像小説以外の気になった作品を紹介することもあります。群像小説以外の気になった作品以外の普通の記事も投稿します。

それから半年後の世界(伊坂幸太郎「無事故で終われ!」)

2020年も残り2ヶ月を切った。 よほどの天変地異が起きない限り(起きたら困るが)、2020年は新型コロナウイルスの年として歴史に刻まれることになる。 ウイルス自体の脅威もさることながら、派生した諸問題が私たちの生活を蝕み続けている。 東京五輪は延期…

最後の読書会(伊坂幸太郎『ホワイトラビット』)

ホワイトラビット (新潮文庫)作者:伊坂 幸太郎新潮社Amazon ※本記事は伊坂幸太郎『ホワイトラビット』のネタバレを含みますが、まずは「自分語り」をお届けします。 2020年6月24日、伊坂幸太郎『ホワイトラビット』(新潮文庫)が発売されました。 単行本が…

4冊目:恩田陸『ドミノ』

ドミノ (角川文庫)作者:恩田 陸発売日: 2004/01/23メディア: 文庫 紹介 次回予告 解説 紹介 1億円の契約書を待つ締め切り直前のオフィス、下剤を盛られた子役、別れを画策する青年実業家、待ち合わせ場所に行き着けない老人、警察のOBたち、それに……。真夏の…

2020年4月24日の伊坂幸太郎『逆ソクラテス』

逆ソクラテス作者:伊坂 幸太郎発売日: 2020/04/24メディア: 単行本 伊坂幸太郎さんの最新刊、『逆ソクラテス』を読んで感じたことを書きます。 ストーリーの根幹に触れることはありませんが、せっかくなので読んだうえでブログを読んでほしいです。 同じこと…

3冊目:有川浩『阪急電車』

阪急電車 (幻冬舎文庫)作者:有川 浩発売日: 2010/08/05メディア: 文庫 紹介 次回予告 解説 紹介 隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった……。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ…

番外編:伊坂幸太郎棚

いちばん好きな作家、伊坂幸太郎さん。 読むのはもちろん、考察するのも楽しい作品たち。 高校の卒論、大学のレポート、サークルの読書会、そしてブログ…とてもお世話になっています。何冊か不足しているのは、たぶん貸しているはず。4月24日発売の新刊『逆…

番外編:群像小説棚を初公開

引っ越しを機に、群像小説棚を新設。・借りている本、貸している本 ・単行本 ・伊坂幸太郎作品 ・「群像小説ぜんぶ読む3冊目」予定の、有川浩『阪急電車』を除く。 伊坂棚は別に作るので、完成したらまた公開します。

2冊目:芥川龍之介『藪の中』

藪の中 (講談社文庫)作者:芥川 龍之介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/08/12メディア: 文庫 紹介 次回予告 解説 紹介 わたしが搦め取った男でございますか? これは確かに多襄丸(たじょうまる)と云う、名高い盗人でございます――。馬の通う路から隔たっ…

今村昌弘『屍人荘の殺人』は本格ミステリだったのか?

屍人荘の殺人 (創元推理文庫)作者:今村 昌弘出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/09/11メディア: 文庫 神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と明智恭介は、曰くつきの映研の夏合宿に参加するため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子とペンション紫湛荘を訪れる…

1冊目:伊坂幸太郎『ラッシュライフ』

ラッシュライフ (新潮文庫)作者:伊坂 幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/04/24メディア: 文庫 紹介 次回予告 解説 紹介 泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職…

0冊目:群像小説ぜんぶ読む

「群像小説」について 群像小説の現在地 群像小説ぜんぶ読む 次回予告 「群像小説」について 「群像劇」という名称をご存知だろうか。 映画『グランド・ホテル』で効果的に用いられたことから、「グランドホテル方式」と呼ばれることもある。 鹿島茂氏による…